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2010年4月20日

インプラントの果たす役割が大きくなっています

 高齢化社会を迎え、"健やかに老いる"ことが大きなテーマとなっています。実は、心身の健康に、歯の状態が大きな影響を及ぼすことがわかっています。

 まず、入れ歯で固いものが噛めないと、食べるものが柔らかいものばかりになってしまいます。1日3回の食事が限られたメニューになれば、食べる楽しみが見出せなくなってしまいます。インプラントで固いものも食べられるようになり、「好きなものを食べられるようになった」「外食する楽しみが増えた」と喜ぶ患者がたくさんいます。

 また、入れ歯になったことで"年を取ったものだ"とガックリと落ち込んでしまう人も少なくありません。インプラントならば、他人が見て義歯だとわかりませんし、本人も毎日鏡を見ても外見は自分の歯と変わらないので、精神的な若々しさを保つことができます。

 健康面でも、きちんと噛めることは重要です。
入れ歯でよく噛めないまま飲みこんでしまうと、胃に負担がかかってしまいます。
また、しっかり噛むことで脳への血流がよくなり、脳細胞に新鮮な酸素と栄養が送り込まれ、脳の働きが活発になります。入れ歯で柔らかいものしか噛まないでいると、脳への刺激が少なくなり、老化が進んでしまいます。寝たきりの人が歯の治療をして噛めるようになったら、体の機能も回復して歩けるようになったという例もあります。

 また、噛むことで唾液が分泌されますが、噛めないと唾液の分泌量が少なくなります。唾液には口腔内の細菌を洗い流す抗菌作用があるので、分泌量が少なければ虫歯や歯周病にもかかりやすくなります。

こうした点から、入れ歯よりもきちんと噛むことができるインプラントは、高齢者にとって望ましい治療法と言えます。「高齢でもインプラントはできるのですか?」という質問をよくされますが、インプラントに高齢は関係ありません。人工歯根を埋入できる充分な骨量があるかどうか、そしてインプラント手術ができないような内臓疾患にかかっているかどうかが問題になるだけです。"年だから"と諦めずに、高齢だからこそ条件が許せばインプラントに挑戦していただきたいと思います。

鈴木歯科医院」ではさまざまな歯科治療に関する情報を発信しています。詳細はこちらでどうぞ。
http://www.sdc.or.jp/

2010年4月18日

インプラントにした後もブラッシングなどの日常ケアが大事です


 インプラントにして、わずらわしい入れ歯の手入れから解放されたーーと気を緩めてはいけません。インプラントにしても、天然歯と同様に毎日のブラッシングなどで歯垢がたまらないようにすることが大事です。

 インプラントは人工歯根なので、天然の歯根にある歯根膜がありません。歯根膜には神経があり、痛みや触覚、圧力などを感じ取ります。インプラントにすると、構造的に人工歯冠と隣の歯の間に磨き残しが出やすくなります(図参照)。歯垢がたまったままになり細菌感染が起きても、歯根膜がないので気付くのが遅れがちになります。歯ブラシによるブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って磨き残しがないように注意することが重要です。

 インプラントの周囲に歯垢がたまったままにしておくと、歯肉炎が起き、進行すると歯周炎になり、インプラントを支えている歯槽骨が痩せ細って吸収される事態にもなりかねません。歯周病予防はインプラントを長持ちさせるためにも大切です。

 インプラントには歯根膜がないので、異常を感じるのが遅くなります。ネジの緩みなどは歯科医が点検しなければわかりません。また、最初の1年ほどは骨と人口歯根が固まっていく過程にあるので、途中経過をチェックしなければなりません。

 したがって、インプラントにした1年ほどは数ヵ月ごとの定期検診が必要です。定期検診でチェックすることは次の通りです。

・ 口腔ケアが適切に行なわれているか
 歯垢がたまっていれば取り除き、ブラッシング指導を行ないます。
・ 噛み合わせの調整
・ インプラントのチェック
 インプラントのネジが緩んでいないか、インプラントにぐらつきがないか調べ、インプラントと歯槽骨の状態を詳しく調べる場合もあります。

 1年を過ぎた後も、半年ごとの定期検診は欠かせません。他の歯の虫歯や歯周病予防を兼ねて、定期検診を習慣にすることが大事です。

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2010年4月17日

クラスプもなく、インプラントは審美的にも優れた方法です

歯科治療では、患者の審美治療へのニーズが高くなっています。インプラントは失われた歯の代替として優れた機能性がありますが、審美性についても秀でています。部分入れ歯はクラスプが見えてしまう場合がありますし、総入れ歯はどうしても不自然さが出てしまいます。

 インプラントの場合は、人工歯根に連結しているアパットメントを歯肉の下に隠れるようにでき、外見からは歯冠部だけが見えるので天然歯と印象が変わりません。セラミックの歯冠部なら色合いなど自然な仕上がりになるでしょう。

 また、審美歯科では歯並びを整えるために歯列矯正を行ないますが、インプラントでは人工歯根を植立する前に、きれいな歯並びとなるような埋入位置を計画することで、歯列矯正と同じ効果が得られます。従来は歯槽骨のある場所にインプラントを植立し、埋入されたインプラントの長さや角度に応じて歯冠部が製作されていましたが、現在では理想とする歯並びから逆算して埋入位置や角度を決めるという方法が主流になっています。事前にCT撮影など精密な検査を行ない、三次元のCT画像や模型などを使ってシュミレーションするなど綿密な計画を立て、審美的な歯冠部の設計を行ないます。その歯冠部を支えるのに必要な位置に人工歯根を埋めるのです。こうした考え方をトップダウン・トリートメントと言います。

 こうした仕上がりについては、インフォームド・コンセントが大事なことは言うまでもありません。幸い、パソコン画面のシミュレーションなどで具体的なイメージがつかみやすいこともあり、トラブルはほとんどありません。

 アメリカでは審美歯科が盛んですが、義歯のファーストチョイスがインプラントになっています。口元の美しさへの意識の高いアメリカで、インプラントが第一選択肢となっているということは、それだけ審美面でも効果があるということです。日本では機能面からインプラントにする人が増え始めたところですが、今後は審美性からもインプラントを選ぶ人が多くなるでしょう。

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2010年4月10日

骨移植や骨再生など骨を増やす方法もあります

 骨量が足りない人は意外にたくさんいます。骨量不足の主な原因は、歯周病と先天的なものです。歯周病の場合、歯肉炎から歯周炎まで進んでしまうと、歯槽骨が吸収されて幅や高さが減少していきます。歯がぐらついて抜ける頃には、歯槽骨はかなり痩せ細っているのです。先天的なものとしては、東洋人の傾向として上顎の骨が薄いことが挙げられます。上顎洞という空洞が口の近くにあり、上顎の骨が薄いとインプラントが上顎洞に飛び出してしまいます。その他、入れ歯を長年使用していると、歯槽骨が痩せてしまっている場合もあります。

入れ歯の不自由さに悩まされていてインプラントにしたいと思っても、骨が薄かったり骨量が充分でなければ、従来は諦めざるを得ませんでした。しかし、医療の進歩によって、現在では骨を増やす方法が開発されています。選択肢の一つとして、骨を増やす治療を受けてからインプラントにするという方法もあるのです。

 骨を増やす方法としては、まず骨移植があります。
 患者本人の骨を採り、インプラントを埋入する歯槽骨に移植します。おとがい部(下顎の正面)は口の中では最も骨量が多いので、ここから採取する場合が多くなっています。大量の骨が必要な場合は腰骨の下にある腸骨から採取します。採取した後の骨は、血液に骨芽細胞が含まれていて自然に再生していきますが、骨を作る誘導剤も注入してきれいに早く再生するようになっています。通常は、骨移植数ヵ月でインプラント手術が可能になります。

また、上顎洞が口の近くにあって上顎の骨が薄い場合は、頬の骨を上顎の骨の上に移植します。この手術をサイナスリフト(上顎洞挙上術)と言います。

 骨移植ではなく、骨を再生することでインプラントに必要な骨量を得る方法も実用化されつつあります。細胞組織工学(ティッシュエンジニアリング)の応用で、患者本人の細胞を使用して骨を再生することが可能になっています。

 骨量が足りなくても、さまざまな方法でインプラントができる可能性があります。あきらめずに歯科医に相談してみてください。

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2010年4月 7日

糖尿病/内臓疾患/歯槽骨の状態が悪いとインプラント手術ができない

"第3の歯""第2の永久歯"と言われるインプラントですが、どんな人にも適用できるわけではありません。

 次のような内臓疾患がある場合はインプラントの手術が難しいでしょう。内臓疾患の治療を最優先すべきです。

・糖尿病
 糖尿病が進むと抵抗力や免疫力が落ちてしまいます。インプラント手術をしても骨と結合しない可能性も高いでしょう。

・腎臓病
 免疫力が低下しているので傷が治りにくく、骨と結合しない可能性も高くなります。人工透析を受けている場合、血液の循環をよくする薬を服用するので、手術時に止血しない可能性もあり危険です。
・心臓病、肝炎、ぜんそく、高血圧、妊婦など
 病気の程度や全身の状態によってはインプラント手術ができない場合があります。

インプラントの手術は、局所麻酔をして歯肉を切開し、インプラントを植立した後、歯肉を縫い合わせるという簡単なものですが、麻酔や出血に対して危険がないか確認することは大変重要なことです。現在かかっている病気、以前にかかったことのある病気について、歯科医及び医科の主治医に相談するようにしてください。

 また、内臓疾患はなくても、インプラントを埋入する部分の歯槽骨が充分な骨量がない場合や骨の質が劣悪な場合は、インプラントが難しいケースも出てきます。物理的に人工歯根を埋められるだけの厚みがないと不可能ですし、埋入できても骨量が充分でないと人工歯根を支える力が弱くなり、噛み合わせの力に耐えられなくなる可能性もあります。

 しかし、現在では骨移植など骨を増やす方法が幾つか登場してきました。骨量が充分でない人も、骨移植などを行なえばインプラント手術を受けることができます。骨の増生法については次ページで説明するので参考にしてください。

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2010年4月 5日

1日で終わるインプラント治療法も出てきています

 インプラントは入れ歯の不便さ、不快さから解放される素晴らしい治療法ですが、人工歯根と歯槽骨が結合するオッセオインテグレーションを待たなければいけないので、時間がかかることが欠点でした。以前は6か月かかっていましたが、オッセオインテグレーションを促進する人工歯根の形状の改善などで2か月に短縮されています。しかし、それでも2ヶ月は人工歯根を埋入したまま仮の歯での生活を余儀なくさせられます。

 この欠点を解決すべく、ブローネンマルク教授自身が開発した方法が即時荷重法です。午前中に人工歯根を埋入し、夕方には上部の歯冠部を装着するので、たった1日でできてしまうのです。従来は人工歯根を埋め込んで自然に骨と結合するのを待っていたのですが、この方法ではフレームで固定して人工歯根が動かないようにすることで、オッセオインテグレーションを得ようとするものです。骨折した時にギプスで固定して骨がつくのを早めるのと、同じ考え方です。

人工歯根とアパットメントが一体化したものを使用し、埋め込んだ後で口腔内に出ているアパットメントの上部をフレームで締め付けて、人工歯根を固定します。その後、上部構造の歯冠部を製作して、夕方に装着すれば完成です。

ただし、この即時荷重法が適用できるのは下顎で、充分な骨の量があることが条件となります。
 また、アメリカではたった1時間で治療を終えるシステムも開発されています。CTの撮影データを使って、あらかじめ上部構造の歯冠部を製作しておき、歯槽骨に穴を開ける位置も決めておくので、手術開始から1時間で歯冠部の装着までできてしまうというものです。

 このようにインプラントの最大のデメリットであった治療期間の長さも解消されつつあります。短期間に治療が済み、快適なデンタルライフを過ごせます。多忙な現代人にフィットした治療方法が開発されたことで、今後もますますインプラントへのニーズは高まっていくのではないでしょうか。

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2010年4月 1日

1本だけ~ブリッジや入れ歯との併用まで

事故などで歯が1本だけ欠けてしまった、虫歯で1本抜けたというような場合、インプラントが最適でしょう。ブリッジにすれば両隣の歯を削らなければいけませんが、インプラントならば、失った歯の場所にインプラントを植立すればいいだけです。

 また、奥歯を失った場合、従来はブリッジを支える歯は片側しかないので部分入れ歯になりますが、やはりクラスプをかけられるのは片側だけなので、歯肉で支えることになり安定しませんでした。奥歯1本だけの場合はインプラント1本を植立し、数本がない場合はインプラントを2本入れて、間をブリッジにすることができます。

 1本の歯も残っていない場合(無歯顎)は、従来は総入れ歯となり、歯肉と顎の骨で支えているため不安定でした。しかし、インプラントを数本植立すれば、入れ歯を安定させることができます。総入れ歯のように、外れたり、ずれたりすることがありません。

 歯槽骨の状態がよく、経済的な余裕があれば、すべての歯をインプラントにする方法もあります。

 インプラントは歯の残存状況、予算などに応じて、いろいろな対応ができる治療法です。歯科医とよく相談することが大事です。

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