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2010年5月18日

睡眠時無呼吸症候群はSleep Apnea Syndrome(SAS)と言います。医学的には無呼吸(10秒以上の呼吸停止)が1時間に5回以上、あるいは一晩7時間の睡眠中に30回以上起きると「睡眠時無呼吸症候群」と診断されます。

 寝ている間に上気道が狭くなって、呼吸が少なくなったり(低呼吸)、気道が完全にふさがって呼吸が止まったり(無呼吸)します。呼吸が止まれば命が危ないので、危険を察知した脳が呼吸を再開するよう指令を出します。脳からの指令で再び呼吸を始めますが、その時に気道にたまっていた空気が勢いよく吐き出され、大いびきになるのです。

 無呼吸になるたびに、脳は覚醒して指令を出します。1時間に5回以上無呼吸になっていれば、その回数だけ脳も目覚めているということです。睡眠中に1時間に5回以上も電話のベルが鳴って起こされれば、誰でも睡眠不足になってしまうでしょう。翌日の昼間に強烈な眠気に襲われるのは当然です。

そんな状態が毎日続けば、「眠いな」と思った瞬間に前後不覚に眠ってしまうということも起きます。長い間、居眠りは気の緩みと思われてきました。しかし、睡眠時無呼吸症候群は病気なのですから、精神的なもので防ぐことはできません。実際に、仕事の電話をしている最中や会議中に突然眠り込んだり、先生が授業中に眠り出したりなど深刻な例がたくさんあります。最も悲惨なのは、車の運転中に居眠りしてしまうことです。自分の命が危険にさらされるばかりか、他人の命すら巻き添えにしかねません。

 また、睡眠不足によって、頭痛や体のだるさがあり、精神的に追い詰められ、無気力など軽いウツ症状になる場合もあります。

 「大きないびき」と昼間の「耐えがたい眠気」が、睡眠時無呼吸症候群の特徴です。その他、起床時に頭がズキズキ痛んだり、集中力や持続力がなくなって単純ミスを連発したりなど、今までにない症状が出ていたら要注意です。単なる疲れと思わずに、睡眠時無呼吸症候群を疑ってみてください。そして、早めに受診することをお勧めします。取り返しのつかない事故を起こす前に、早めに気付いて治療することが望まれます。
「鈴木歯科医院」ではさまざまな歯科治療に関する情報を発信しています。詳細はこちらでどうぞ。
http://www.sdc.or.jp/

いびきはどのようにして起きるのか、簡単に説明しましょう。

 鼻から吸い込んだ空気は上気道を通って体内に取り込まれます.この上気道は、肥満、扁桃肥大、加齢による筋力低下などによって狭くなることがあります。狭くなると空気抵抗が大きくなり、粘膜などが振動したり摩擦音がします。この振動音や摩擦音がいびきなのです。もともと、上気道には、吸い込んだ空気のほこりなどを取り去って肺に入れないようにする役割もあるので、凹凸が激しくなっています。風邪をひいてノドを腫らすと、それだけ上気道が狭くなって呼吸が苦しくなるなど、空気の通り道が狭くなりやすい構造になっているのです。

  そして、寝る時はあお向けに寝ますから、軟口蓋や口蓋垂(のどちんこ)などが重力によって下へ沈みます。その結果、上気道が狭くなってしまうのです。睡眠中は筋肉もゆるんでいて、のどや舌の筋肉もゆるんでいるので振動しやすくなっています.

 このように、睡眠中はいびきをかく条件が揃っているのです。

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 一般的に、いびきをかいてパタッと止まり、しばらくすると、大音響のいびきを再びかき始めるというパターンが多いと思いますが、いびきが止まっている間は呼吸も止まっているのです。こうした睡眠時無呼吸症候群になると、浅い眠りとなり、昼間に強烈な眠気がします。

 睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害による居眠りによって、さまざまな大事故がおきています。

 1993年にアメリカ睡眠障害調査研究会が発表したレポート「Wake up America」(目覚めよ、アメリカ)には、衝撃的な事実が報告されています。

 1989年に起きたアラスカ沖原油流出事故は、見張り役の3等航海士が前日から2日間で6時間しか寝ていなかったため、立ったまま居眠りして座礁を警告する信号に気付かなかったのが原因とされています。1人の航海士の睡眠障害のために、流出した原油の清掃作業に18億5000万ドル、船舶の被害が2500万ドルなど、約20億ドルもの損害が生じたのです。

 91年に起きたオレゴン州の列車衝突事故も運転手の居眠りが原因とされています。

そのほか、スリーマイル島の原発事故も監視員が睡眠不足で炉心冷却水の減少に気付かなかったことが原因の一つとされ、チェルノブイリの原発事故も職員の寝不足による居眠りが関係しているとされています。

日本でも2003年にJR山陽新幹線の運転士が居眠り運転するという事件が起きました。この運転士は睡眠時無呼吸症候群とわかり、日本でも睡眠時無呼吸症候群が知られるきっかけともなりました。

睡眠時無呼吸症候群の患者のほとんどは、いびきをかいています。つまり、いびき治療と睡眠時無呼吸症候群の治療は重なる部分が多く、歯科治療が睡眠時無呼吸症候群の治療にも役立っているのです。

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「いびき」というと、熟睡しているというイメージがします。「大事な交渉の前夜も高いびきで寝ていた」と、平静沈着な豪傑のエピソードとして語られることもあります。「お父さんのいびきで寝られなかった」という子どもの話など、微笑ましい笑い話として受け止められているでしょう。

 しかし、研究が進み、いびきが体に大きな負担をかけ、健康に悪影響を与えていることがわかってきました。

 いびきは睡眠中に呼吸障害に陥ることで生じます。いびきによって充分な呼吸ができず、取り入れる酸素が少なくなります。体内の酸素不足は高血圧、不整脈、心不全、心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中などを引き起こしやすくなり、血液が酸性に傾いてインスリンの分泌が悪くなって糖尿病を誘発します。

 また、いびきをかくと酸素不足で熟睡できず、眠りが浅くなり、日中の集中力や判断力が鈍りがちになります。急激な眠りに襲われることもあります。

 いびきを軽く見てはいけないのです。日本人でいびきをかく人は約2000万人と推定されています。いびきをかく本人の健康への悪影響、そして同室で寝る家族が不眠になるなど周囲への影響も見逃せません。また、女性の場合など"旅行に行けない"と思いつめるなど精神的な負担もかかってきます。

 後述しますが、いびき治療にはさまざまな方法がありますが、患者に負担をかけずに治療効果も高い方法として、スリープスプリントというマウスピースのようなものを口に装着する歯科治療が注目を浴びています。スリープスプリントは出張や旅行にも携帯でき、手軽に装着できます。

 いびきに悩んでいる人、家族に指摘されて気付いた人など、いびき治療の窓口のある病院や歯科医院で早めに受診して治療しましょう。いびきが治り、併発する病気の予防にもなり、さまざまな悩みからも解放されます。


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鈴木歯科医院 院長 鈴木高弘

鈴木歯科医院
院長 鈴木高弘

●来歴
1981年
明海大学歯学部卒業
1981年~1984年
北新宿歯科勤務
1984年~
鈴木歯科医院開業
1989年~
芝大門歯科クリニック開業
1990年~
医療法人社団弘宣会 理事長就任
  2009年
ホワイトエッセンス青山開業

日本歯科審美学会会員
日本顎咬合学会会員
歯科医師臨床研修指導医

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