虫歯はエナメル質を溶かすところから始まるので、初期のころから痛むことはありません。ここには神経が通っていないからです。
虫歯の進行はC1からC4に分かれ、エナメル質にとどまる段階はC1に当たります。Cというのは英語で虫歯をさすCariesの頭文字をとったものです。
C1では歯の表面のなめらかさがなくなり、灰色や薄茶色の溝のような病変が現れます。
硬度の高いエナメル質に少しずつ穴が開いていくのです。
そのままにしておくと、エナメル質を突き抜けて象牙質まで侵され、C2になります。鏡で見えやすい部分なら、自分でもはっきりと黒く病変していることが確認できるでしょう。
象牙質はある程度厚みがあるので、C2の中でも程度と症状には違いがあります。C2の初期ならまだあまり痛みも感じません。
そして、象牙質の奥へと穴があくにつれて、冷たい水や熱い食べ物を口に入れると、しみるようになってきます。
定期検診に行っていない人は、このあたりでようやく異変に気づくことが多いのです。
自覚症状があるのに「まだ大丈夫だろう」と放っておくと、やがて虫歯は歯髄にまで適して、C3に至ります。
象牙質は厚みがあるとはいえ、エナメル質よりやわらかいので、C2から先へ進行する速度は、案外速いと心得ておいてください。
C3というのは歯の中心部の歯髄にまで進んだ状態すから、すでに表面のエナメル質や象牙質はひどく侵され、黒くて大きな穴があいています。
歯髄には神経が適っていますから、ズキズキと痛むようになります。これは歯髄炎を起こしているためです。
夜、布団に入って体が温まると、痛みがひどくなり、眠れなくなるのも特徴です。
それでもまだ放置しておくと、最終段階のC4にまで進行します。目に見える歯冠の部分はほとんど失われ、根の部分だけが残るという、ひどい状態に陥るのです。
虫歯が自然治癒することはありません。冷たい水がしみるといった症状がいったんおさまったように見えても、自然に治ったなどと解釈しないことです。
人によっては、かなり進行しないと自覚症状が出ないこともあります。気づいたらC3にまで至っていたというケースもあるのです。
ひどい虫歯の激しい痛みを我慢し続けていると、症状が軽くなることもありますが、それは歯髄が食い尽くされたためだと考えてください。終着点まで行き着いたのではありません。
そのままでは歯根の内部にまで病変が広がり、ひどい痛みに襲われることになります。
また、大人の虫歯は、奥歯の溝ではなく、磨きにくい奥歯の間にできることが多く、子供の頃よりもゆっくりと進行するという特徴があります。
歯周病で歯肉が後退すると、歯と歯のすき問が広くなり、根のところから虫歯になることも少なくありません。
さらに、過去に治療を受けた歯についても、注意が必要です。クラウンと歯の境目などは、ミュータンス菌が繁殖しやすいと覚えておきましょう。
それだけに、早めに治療を受け、その後は定期検診に通うことが大切なのです。
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