歯周病は慢性疾患であるため、虫歯のように削ったり、詰めたりすれば治るものではありません。
最悪のケースとして、歯が抜ける寸前のP4まで進行してしまった場合、歯槽骨は無残に溶けているので、治療は非常に難しくなります。
だからこそ、早めに歯科医のところへ行き、歯石を除去したうえで、正しいブラッシング法をマスターすることが大切なのです。初期のうちに手を打たないと、回復できないところまで進行してしまいます。
ときには、口臭が治療のきっかけとなるケースもあります。
家電メーカーにお勤めのNさんは52歳、仕立てのいいスーツに身を包み、物腰もやわらかな紳士でした。
彼が来院した理由は「いくら歯を磨いても、口臭が強い」というもの。家族から指摘され、会議や商談で発言するときには、周りの人が顔をしかめないかと、いつも心配だということでした。
口の中を見ると、Nさんが歯を磨いているつもりで磨いていなかったことは一目瞭然でした。口臭が起こるのも無理からぬ状態だったのです。
そこで、実際に歯を磨いてもらい、それまでのやり方が間違っていて、磨き残しがあることをご自身で確認してもらい、正しいブラッシング法の指導をしました。口臭には舌の汚れも影響するので、それを除去することもアドバイスしました。
そして、歯石を取ったり、はれている場所にレーザーをあてるなどの治療を行い、定期検診に必ず来られようにお話しました。
はじめの頃は、完全にブラッシング法が身につかず、定期検診で指導を繰り返しました。正しい方法を実践しているかどうかは、診察すればすぐにわかるのです。
とはいえ、根気強く続けるうちに少しずつ改善されていき、今では口の中を清潔に保ち、後戻りしないための予防法をしっかりとマスターしています。
ご本人も「口臭がなくなって、妻と娘にも喜ばれました。気がねなく話ができるようになって、仕事への自身も取り戻した気分です」と話していました。
このように、口臭をきっかけにして、歯を失う前にストップがかけられた例もあるのです。
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